【裁判情報】フジ住宅の訴訟に関するブログ

フジ住宅が元従業員からヘイトスピーチに関する訴訟を起こされている。裁判の行方とフジ住宅の主張を本ブログで掲載する。

フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。なお、最新情報は公式ホームページから抜粋しています。長いので分割してお届けします。

“イ 原告の主張する被侵害利益への疑念
 被告フジ住宅の職場環境配慮義務違反という形で原告が訴えている被害の実体は、結局のところ、感情的反感や政治思想的反発である(原告第6準備書面13頁以下。今井40頁でも、原告代理人は「世界観とか、自分の思想にかわるような内容とか、そういう資料の配布はやめてくれというふうに言うのは、正当な権利だというふうに思いませんか。」と問うている)。
 かかる被害の内実は、原告の主張する「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」という被侵害利益とは異なるものである。つまり、原告に対しては、「差別的な言動にさらされずに就労する権利、人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」の侵害はない。
 1つめの「差別的な言動にさらされずに就労する権利」というものは「権利」と呼ぶべきかはさておいても、そのような法的保護に値する切実な利益が憲法13条の幸福追求権を根拠として認められうるであろうが、既述のとおり、被告らが社内配布した資料はヘイトスピーチでも差別助長文書でもなく、法的に許容される政治的意見論評ばかりであり、かつ、原告個人に向けた言論でもなく、原告が就労の場面において「差別的な言動にさらされた」という事実もない
 2つめの「人格的自律権」の侵害という点については、原告主張は、配布文書を閲覧したり、それに文書作成で応答したりすることが、「人格的自律を害する」というものであるが(原告第11準備書面7頁以下)、被告今井としては理解できない。人格的自律権というのは、言い換えると自己決定権であるが、配布文書の記載という他人の表現に触れただけで、仮にその者が不快を感じたとしても、何ら自己決定が侵されたわけではない。もし、無理矢理に特定の思想内容の文書の作成と発表を強制されたら、自己決定権の侵害が生じるということは考えられるが、原告からはそのようなエピソードは一切主張されていない。
 原告が述べたいのは、原告の思想信条を侵される危険があったということかもしれないが、それを過度に重視し規制すると表現の自由が無になる。表現の自由の本質が他人の内心に働きかけるというものだからである(被告今井第5準備書面8頁以下、同第6準備書面11頁以下)。また何より実態として、本件の資料配布によっても、原告の思想信条自体は何ら侵されてはおらず、尊重されている。
 3つめの「職場において自由な人間関係を形成する権利」というものも、一般論として、「権利」と呼ぶべきかはともかく、幸福追求権の一環としてその種の法的保護に値する利益はあるであろうが、本件では、原告に「職場において自由な人間関係の形成が阻害された」という具体的事実は見当たらない。
 結局のところ、原告が主張する人格権侵害の内実たる3種の利益の侵害は、立証されていない。”

次回はこの続きから紹介したいと思います。