【裁判情報】フジ住宅の訴訟に関するブログ

フジ住宅が元従業員からヘイトスピーチに関する訴訟を起こされている。裁判の行方とフジ住宅の主張を本ブログで掲載する。

フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

 

”  2 被告の主張

判例上、退職勧奨そのものは違法ではなく、例外的に社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為について不法行為が成立しうるとされている(下関商業高校事件-最判昭55.7.10判タ434号172頁、日本アイ・ビー・エム事件-東京高判平24.10.31労経速2172号3頁等)。

この点、当該退職勧奨を違法とする多数意見と適法とする反対意見が3対2で分かれた上記下関商業高校事件は、社会的相当性の逸脱の有無に係る限界事例と考えられるが、同事件は、地方公務員である市立高等学校の教員に対する市教育委員会による退職勧奨が、4か月間に11回あるいは5か月間に13回にわたり、1回あたり20分から2時間強に及んだという事案であった。また、上記日本アイ・ビー・エム事件では、「具体的な退職勧奨の態様の相当性」について、「退職勧奨の期間、回数等」が相当であったか否かに加え、各回における退職勧奨の際のやりとりや、退職勧奨がなされて以降の電子メールでのやりとり等を個別に検討し、相当性の有無を検討するという手法が用いられており、結果として、すべての原告についてその相当性を肯定し、退職勧奨に違法性は無いと結論づけているところである。

この点、本件においては、上記のとおり被告会社は原告に対し300万円の支払いと引き換えに退職するという選択肢を提示したに過ぎず、一度も退職を求めるようなことはしていない。また、植木副部長とのやりとりは1回に過ぎず、これに要した時間も僅か18分程度のことであった。しかも、原告が勤務を継続する意思を表示して以降は一切上記選択肢について言及していないのであって、およそ被告会社の行為が違法とされる余地はないものである。”

 

次回も続きから紹介していきます。