【裁判情報】フジ住宅の訴訟に関するブログ

フジ住宅が元従業員からヘイトスピーチに関する訴訟を起こされている。裁判の行方とフジ住宅の主張を本ブログで掲載する。

フジ住宅の訴訟と裁判 第6準備書面について

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

”(2)原告の各種主張に対する個別の反論
  ア はじめに
    原告は、ヘイトスピーチないし人種・民族への差別助長を内容とする資料を被告らが配布していると主張するが、被告らとしては、配布資料がヘイトスピーチでも差別助長文書でもないということは主張の大前提としたうえで、原告のかかる主張について、差別表現と表現の自由の観点から、反論をなす。
  イ 人種差別表現は名誉毀損表現・プライバシー侵害表現と同列の表現内容規制との主張に対して
 原告は、人種差別表現は、名誉毀損表現・プライバシー侵害表現と同列の表現内容規制だと主張するが(原告第14準備書面5頁)、少なくとも、本件のような私人間での損害賠償請求の局面において、それらを同列に位置づけるのはあまりに乱暴である。
 名誉毀損やプライバシー侵害は、個人の被害者が特定されており被侵害利益も明確であるが、人種差別表現は必ずしもそうではない。人種差別表現であるから、当然に不法行為の要件を満たすというものではない。むしろ、集団に対する表現それ自体は、仮にそれが人種差別的な表現を一部に含むものであったとしても、個人に対する不法行為は成立しないというのが先例である(被告今井第1準備書面1頁以下)。
 改めて整理して述べると、民族的集団に対する政治的な批判の言動(一部に侮蔑的な言葉や差別的な表現が一部含まれることはありうるが、迫害や排除の煽動という狭義での「ヘイトスピーチ」には至らないもの)は、不法行為や職場環境配慮義務における「違法性」の判断との関係では、原則として違法性を帯びない。理由は次のとおりである。
 不法行為においては、保護法益(人格権等)を持つ「個人」の「個別的権利や法的利益」に対する侵害であるときに違法性が認められるのであり、言論による「攻撃」(侵害行為)が特定の個人に向けられたものではないとき、そもそもその個人に対する違法な侵害自体がないと言える。”

次回も第6準備書面について続きから紹介していきます。